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『太上感応篇』Treatise of the Most High on Action and Response

別称
『感応篇』, 『太上感応篇集注』
著者・伝授
撰者不詳, 宋の李昌齢伝、鄭清之賛(道蔵本)
時代
北宋 · 北宋末から南宋初(11〜12世紀)頃の成立とされ、撰者は不詳。本文は千二百字余り。道蔵本『太上感応篇』は三十巻からなり、李昌齢の伝、鄭清之の賛と題される。
道蔵の部類
太清部
収録
正統道蔵 太清部
分類
勧善書
巻数
三十巻(正文一巻)

解題

『太上感応篇』は中国で最も広く伝わった道教の勧善書であり、冒頭の「禍福に門無し、惟だ人の自ら招く所なり。善悪の報いは、影の形に随うが如し」がその綱領をなす。全文は太上老君の名に仮託し、「道に則れば進み、道に非ざれば退く」という行為の準則を列挙する。まず善行(徳を積み功を累ね、慈しみの心をあらゆる物に及ぼし、忠孝友悌を尽くし、孤児寡婦を憐れみ助けるなど)を述べ、次いで百余りの悪行(天の恵みを暴殄し、平人を讒毀し、父兄に逆らい、尺度を短く狭くするなど)を詳細に列挙し、司命・三尸・竈神が寿命の算・紀を奪い減らす仕組みによって、報応がいかに働くかを説明する。その思想は道教の承負説、仏教の因果観、儒教の倫理を融合させたものであり、仙となるための入り口を方術から日常の道徳実践へと転じさせた。宋の理宗はかつて「諸悪莫作、衆善奉行」の八字を巻頭に賜り、明清以降は官吏や紳士による刊行・施与が盛んとなり、注釈書・図説・霊験記は数十種を下らず、日本・朝鮮・ベトナムにも伝わり、中国の善書文化を代表する中心的なテキストとなっている。

中心思想

  • 禍福無門、惟人自召
  • 善悪の報いは影が形に随うが如し
  • 司命・三尸・竈神による寿命の算・紀の剥奪
  • 道教の承負説と儒仏の倫理の融合
  • 日常の道徳実践が方術に代わって成仙の道となる

構成

本文一巻、千二百字余り。道蔵本には李昌齢の伝注と鄭清之の賛が付され、あわせて三十巻となる。

版本

  • 正統道蔵本(三十巻)
  • 『道蔵輯要』本
  • 清の恵棟『太上感応篇注』
  • 兪樾『太上感応篇纘義』

注疏

  • 李昌齢伝注
  • 恵棟注
  • 兪樾纘義
  • 『感応篇彙編』

訳本

  • James Legge, The Texts of Taoism (SBE 40, 1891) 英訳
  • 日・韓・仏語への複数の訳本

原文とオンライン資料

関連経典

『文昌帝君陰騭文』, 『関聖帝君覚世真経』, 『太微仙君功過格』, 感応篇彙編

関連人物

老子
参考文献
  1. Tadao Sakai, 中国善书の研究
  2. 任继愈主编《道藏提要》
  3. 游子安《劝化金箴——清代善书研究》
  4. 维基百科「太上感应篇」条