『太微仙君功過格』Ledger of Merit and Demerit of the Immortal Lord of Taiwei
- 別称
- 功過格
- 著者・伝授
- 又玄子(太微仙君の降授に仮託)
- 時代
- 金 · 序に金の大定十一年(1171年)と署され、太微仙君が浄明道士又玄子に降授したことに仮託される。一巻。現存最古の功過格の文本である。
- 道蔵の部類
- 太平部
- 収録
- 正統道蔵 太平部
- 分類
- 勧善書
- 巻数
- 一巻
解題
『太微仙君功過格』は現存する最古の「功過格」、すなわち数量化の方式によって善悪を記録する道徳の帳簿である。その方法は次の通りである。修道者は毎日就寝前にその日の行いを自ら記し、善は「功」、悪は「過」として、格中に定められた点数に従って計数し、月末に小計し、年末に総計する。功が多ければ福が至り、過が多ければ災いが生ずる。格は「救済門」「教典門」「焚修門」「用事門」の四類に分かれ、たとえば人の命を一つ救えば百功、亡魂を薦抜すれば十功、経法を伝授すれば若干功などとされ、殺生・欺詐・破斎犯戒などにはそれぞれ過数が定められている。この方法は宗教修行を計量可能かつ自己点検可能な日常の作業へと転化させたもので、明清社会に深い影響を及ぼした。袁黄の『了凡四訓』はまさに功過格によって命運を改造したものであり、雲棲袾宏の『自知録』はその仏教版であり、清代にはさらに士人・商賈・婦女・医者などを対象とした各種の専門的な功過格が派生した。功過格はこのため、中国の道徳実践史及び宗教社会史における重要な文献とみなされている。
中心思想
- 現存最古の功過格
- 善悪の量化記帳と自己点検
- 救済・教典・焚修・用事の四門
- 『了凡四訓』及び明清善書運動に影響を与えた
- 宗教修行の日常化と数量化
構成
一巻、序文に四門の功過条目及び計分法を加えたもの。
版本
- 正統道蔵本
- 『中華道蔵』本
- 『蔵外道書』所収の各種功過格
訳本
- Cynthia Brokaw, The Ledgers of Merit and Demerit(1991年)研究及び抄訳
原文とオンライン資料
関連経典
『了凡四訓』, 『警世功過格』, 『太上感応篇』参考文献
- Cynthia Brokaw, The Ledgers of Merit and Demerit: Social Change and Moral Order in Late Imperial China, 1991
- 酒井忠夫《中国善书の研究》
- 任继愈主编《道藏提要》
- 维基百科「功过格」条