『警世功過格』Ledger of Merit and Demerit for Admonishing the World
- 別称
- 『警世功過格例』, 十戒功過格(関連)
- 著者・伝授
- 清代の善堂による輯、撰者の多くは不詳
- 時代
- 清 · 清代に流行した功過格類善書の総称で、版本が多く、撰者と正確な年代の多くは不詳である。通常一巻、点数記録の格表を付す。
- 道蔵の部類
- 蔵外(清代善書)
- 収録
- 蔵外
- 分類
- 勧善書
- 巻数
- 一巻(諸本一定せず)
解題
「警世功過格」とは、清代に大量に刊行された警世類の功過格善書を広く指す名称であり、金代の『太微仙君功過格』と明末の袁黄の実践を承けて、善悪を数値化して記帳する方法をあらゆる階層にまで広めたものである。その体裁は通常、まず訓誡の総論を掲げ、次いで功格と過格を項目に分けて挙げそれぞれに点数を付し、末尾に日々記録するための空白の格表を添える。清代にはこの類の文献が極めて多く作られ、一般の士庶に向けた通用本のほか、官吏・士子・商人・医師・婦女・僧道など向けにそれぞれ編まれた専門の格もあり、『当官功過格』『士人功過格』の類が挙げられる。その多くは地方の善堂・宗族・書坊によって刊行され施与され、惜字会・放生会・施棺局などの慈善組織と連携していた。学界(Brokaw、酒井忠夫、游子安など)は、これを明清社会の道徳秩序、階層意識、慈善実践を観察するための重要な窓口としている。版本が非常に多く、多くは撰者が明らかでないため、使用に際しては具体的な刊本を明記する必要がある。
中心思想
- 清代の功過格善書の総称
- 訓誡の総論、功過の点数、日々記録する格表
- 職業階層別に編まれた専門の功過格
- 善堂の慈善組織と連携する
- 版本が煩多で撰者の多くは不詳
構成
一巻、総論・功格・過格および空白の記録表からなる。
版本
- 清代各地の善堂刊本(版本多数)
- 『蔵外道書』所収の功過格類文献
訳本
- Cynthia Brokawの著作中に関連文献の部分訳と分析がある
原文とオンライン資料
関連経典
『太微仙君功過格』, 『了凡四訓』, 『太上感応篇』参考文献
- Cynthia Brokaw, The Ledgers of Merit and Demerit, 1991
- 酒井忠夫《中国善书の研究》
- 游子安《劝化金箴——清代善书研究》
- 胡道静等编《藏外道书》