太上霊宝五符序Preface to the Five Talismans of Lingbao
- 別称
- 霊宝五符経, 霊宝五符, 太上洞玄霊宝五符序
- 著者・伝授
- 佚名
- 時代
- 漢末—東晋 · 核心をなす『五符』の伝説は大禹に発し、呉王闔閭がこれを得たとされ、漢末にはすでに流布しており、葛洪『抱朴子』に著録される。今本三巻はおおむね東晋に成り、葛巣甫が造作した霊宝経系よりも早い。
- 道蔵の部類
- 洞玄部神符類
- 収録
- 正統道蔵 洞玄部神符類
- 分類
- 初期道経
- 巻数
- 三巻
解題
『太上霊宝五符序』は霊宝経系の源頭となる文献で、「霊宝」の名もここに由来する。書中では大禹が治水の際に「霊宝五符」を得て洞庭の包山に蔵し、呉王闔閭が竜威丈人を遣わしてこれを取り出させたとの伝説を述べる。今本は上巻で五符の由来と霊宝服御の説を述べ、中巻には草木薬・丹砂を服する法、日月の精を食する法、行気吞霞の方を録し、下巻は五方五帝の符および符を佩び神を召し邪を鎮める諸法とし、あわせて「食五牙法」(五方の気を服する)を付す。この経は漢魏方士の服食養生術と五方五帝の信仰を保存しており、方仙道から霊宝経教への過渡における鍵をなし、その五方霊宝符は東晋末の葛巣甫『霊宝赤書玉篇真文』によって吸収・改造され「五篇真文」となった。
中心思想
- 霊宝五符と五方五帝
- 服気食五牙、丹砂草木を服する
- 禹と包山の伝説
- 方術から経教への過渡
構成
三巻:上巻は源流と法術を叙し、中巻は服食の薬方、下巻は五符とその用法。
版本
- 正統道蔵本
- 『中華道蔵』第 4 冊
訳本
- Gil Raz の研究 The Emergence of Daoism (2012)
原文とオンライン資料
関連経典
元始五老赤書玉篇真文天書経, 元始無量度人上品妙経, 抱朴子内篇関連人物
葛玄, 葛洪, 葛巣甫参考文献
- Gil Raz, The Emergence of Daoism: Creation of Tradition, 2012
- 小林正美《六朝道教史研究》
- 任继愈主编《道藏提要》