上清経系(洞真経、太上黄素、九真中経)Shangqing Scriptural Corpus
- 別称
- 上清経, 洞真経, 上清三十一巻, 太上黄素四十四方経, 上清太上帝君九真中経
- 著者・伝授
- 楊羲, 許謐, 許翽
- 時代
- 東晋 · 東晋興寧二年から太和五年(364—370)にかけて楊羲と二許が記録した降経を核心とし、その後王霊期らによって増衍され、陶弘景が整理した時にはすでに数十種に及んでいた。南朝にはすでに「上清経三十一巻」という目が存在した。
- 道蔵の部類
- 洞真部
- 収録
- 正統道蔵 洞真部(本文・玉訣・方法・衆術などの類に分散する)
- 分類
- 初期道経
- 巻数
- 複数種、中核は約三十余巻
解題
上清経系は東晋中葉、句容の許氏一族と霊媒楊羲との間で形成された一群の「降真」経典であり、後の茅山宗によって「洞真」部の本源として奉じられた。その核心は『大洞真経』のほか、『太上黄素四十四方経』(日月の存思、飛歩、隠遁の方を論じる)、『上清太上帝君九真中経』(九真帝君の法と「三一」の存思)、『紫度炎光神玄変経』『金真玉光八景飛経』『八素真経』『飛行羽経』『高上滅魔洞景金玄玉清隠書』などがある。これらの経典は身中の神と日月星辰とを存思すること、服気咽液、誦経飛昇、名山への隠棲を特色とし、神譜は元始天王・太上大道君・魏華存らを主とし、冥界には酆都六天宮がある。経文は文辞華麗で多くは詩歌の形式をとり、陶弘景が『真誥』『登真隠訣』の中で詳しく著録し真偽を考訂した。上清経系は道教の「三洞」体系における「洞真」の最高の地位を確立し、その存思修煉の方向性は唐宋の内丹への先駆けを直接に開くものとなった。
中心思想
- 降真の啓示と霊媒による伝経
- 日月星辰と身中の三一を存思する
- 服気・咽液・飛歩
- 内なる修行を重んじ外丹と祭祀を軽んじる
- 洞真部の形成
構成
陶弘景『真誥・翼真検』は初期の上清経目を列挙している。正統道蔵洞真部本文類には多くその経文が収められる。
版本
- 正統道蔵洞真部の諸経
- 『中華道蔵』第1—2冊(三洞真経・上清経)
訳本
- Isabelle Robinet, La révélation du Shangqing (1984) 巻二の逐経解題
- Stephen Bokenkamp, Early Daoist Scriptures (1997) 部分英訳
原文とオンライン資料
関連経典
上清大洞真経, 真誥, 登真隠訣, 黄庭内景経関連人物
楊羲, 許謐, 許翽, 魏華存, 陶弘景参考文献
- Isabelle Robinet, La révélation du Shangqing dans l'histoire du taoïsme, EFEO 1984
- Michel Strickmann, Le Taoïsme du Mao Chan, 1981
- 陳国符『道蔵源流考』
- 维基百科「上清派」条