『洞仙伝』Biographies of Grotto Immortals
- 著者・伝授
- 見素子(生涯不詳)
- 時代
- 六朝 · 『隋書・経籍志』には十巻が著録されるが撰者は記されず、『旧唐書・経籍志』『新唐書・芸文志』では見素子の撰とする。見素子については六朝の人とする説と、唐の女道士胡愔とする説があり、定説はない。今は一巻が『雲笈七籤』巻百十に収める輯本として残る。
- 道蔵の部類
- 『雲笈七籤』に輯め存す
- 収録
- 正統道蔵 太玄部(『雲笈七籤』巻一一〇)
- 分類
- 仙伝
- 巻数
- 全一巻(原本は十巻)
解題
『洞仙伝』は原十巻であったが、今は『雲笈七籤』巻百十に収める一巻のみが残り、元君から姜伯真に至るまでの七十七人の仙真の事跡を記す。収める人物には徐福・王子喬・郭璞のような先秦漢晋の伝説的人物もあれば、寇謙之のような南北朝道教の実在の人物もあり、そのため原書はおおむね南北朝末から隋唐の間に成ったと推断される。その体例は『列仙伝』『神仙伝』を承け、洞天における修真と受経伝法の事を多く録しており、上清・霊宝経系の人物に筆を費やすことが多く、『真誥』『道学伝』と互いに証し合うことができる。原書が散佚しているため今本の篇幅は限られるが、それでも六朝の神仙譜系と洞天の観念を考察する上で重要な資料であり、書名の「洞仙」とはすなわち洞天に居する仙のことを指し、「洞天福地」説の形成とも関わる。
中心思想
- 七十七人の仙真の事跡
- 洞天における修真と受経伝法
- 六朝の神仙譜系
- 『列仙伝』『神仙伝』の体例を承ける
- 原書は散佚し『雲笈七籤』の輯本のみが残る
構成
今は一巻が残り、人物の小伝を配列する。
版本
- 『雲笈七籤』巻一一〇本
- 『説郛』輯本
原文とオンライン資料
関連経典
『列仙伝』, 神仙伝, 雲笈七籤, 真誥関連人物
寇謙之, 徐福参考文献
- 《隋书·经籍志》《新唐书·艺文志》
- 维基百科「洞仙传」条
- 任继愈主编《道藏提要》
- 陳国符『道蔵源流考』