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老子化胡経Scripture of Laozi's Conversion of the Barbarians

別称
化胡経, 老子西昇化胡経
時代
西晋 · 西晋の恵帝の時(おおむね 300 年前後)、天師道の祭酒王浮が一巻を撰し、その後絶えず増衍されて十巻に至った。唐初以後はしばしば禁毀され、元の至元十八年(1281)にことごとく焚かれ、今は敦煌の残巻(S.1857、P.2007 等)のみが残る。
道蔵の部類
洞神部(蔵外)
収録
蔵外(原本は焚かれ、敦煌残巻が残る;『中華道蔵』第 8 冊に輯録)
分類
初期道経
巻数
原本一巻、後に十巻に拡張。現存するのは敦煌本の巻一、二、八、十など

解題

『老子化胡経』は道教が仏道論争のなかで作った経典で、老子が函谷関を西に出たのち天竺に至り仏陀と化した(あるいは胡人を教化して仏となした)とし、仏教は老子が創始した支流であって、道が先で仏が後であり道が仏より尊いことを論証しようとする。「化胡」の説はすでに漢末に見え(襄楷、『三国志』注引『魏略』)、西晋の道士王浮が僧の帛遠と論争して敗れたのち、この経を造ったとされる。以後歴代にわたり増補が加えられ、老子八十一化や摩尼への化などの内容が加わり、道教が仏教と正統を争う際の重要な武器となり、また幾度も仏教徒による攻撃の的ともなった。唐の高宗・中宗はかつて詔を下してこれを禁絶し、元の憲宗・世祖の二度にわたる仏道論争ののち道士は敗れ、この経は偽経と判じられ焚かれ、今は敦煌の残巻のみが残る。この書は論争性の偽経ではあるが、中古の仏道関係と道教の歴史観を研究する上での鍵となる文献である。

中心思想

  • 老子が西行し胡を化して仏となる、道が先で仏が後
  • 老子八十一化の聖伝体系
  • 仏道論争における経典的武器
  • たびたびの官による禁毀の歴史

構成

十巻本は各巻内容が一致せず、序説・化胡の経過・玄歌・受道戒などを含む。敦煌残巻には巻一『序説』、巻十『玄歌』などが見える。

版本

  • 敦煌写本 S.1857、S.6963、P.2007、P.3404 等
  • 『中華道蔵』第 8 冊輯本
  • 『太上老君開天経』『老子八十一化図』など関連文献

訳本

  • Anna Seidel および Livia Kohn の関連研究(Laughing at the Tao, 1995 に一部収録)

原文とオンライン資料

関連経典

老子西昇経, 道徳経

関連人物

老子, 関尹
参考文献
  1. Livia Kohn, Laughing at the Tao: Debates among Buddhists and Taoists in Medieval China, 1995
  2. 刘屹《敬天与崇道》
  3. 维基百科「老子化胡经」条
  4. 《佛祖统纪》卷三十六