翁葆光Weng Baoguang
- 字・道号
- 字は淵明, 号は無名子
- 時代
- 南宋
- 生没年
- ? — ?
- 流派
- 金丹派南宗
- 役割
- 内丹家経注家
- 出身地
- 四明(現在の浙江省寧波一帯)
生涯
翁葆光、字は淵明、号は無名子、南宋の道士で、生没年は不詳、おおよそ孝宗・光宗の頃に活動した。彼は張伯端の『悟真篇』における最も重要な早期の注釈家であり、その著した『悟真篇注釈』(また『紫陽真人悟真篇注疏』とも題される)三巻、及び『悟真篇直指詳説三乗秘要』『悟真篇注疏直指詳説三乗秘要』などは、内丹南宗の丹法解釈の基本的枠組みを構成している。翁注の核心をなす主張は「三乗」の分判にあり、延年却病を下乗、性命兼修を中乗、金液還丹を上乗とし、あわせて『悟真篇』の龍虎鉛汞を「同類陰陽」によって解釈することを明確にし、炉火焼煉や閨丹房中の術による丹経解釈に反対し、また純粋に心性のみで丹を説く立場も取らなかった。その注釈は多大な影響を及ぼし、元代の戴起宗の『悟真篇注疏』は翁注を底本として弁を加えており、明清の丹家が『悟真』を論ずる際には翁説を援用しないものはほとんどない。同時に、翁注による「陰陽同類」の解釈は、のちの東派・西派と清修の一系との間の論争の焦点ともなった。翁葆光の生涯事跡については史料が欠けており、その自序と元人の注疏中の転述からのみ推知しうるにとどまる。
業績と影響
- 『悟真篇』の体系的な注釈を初めて著し、内丹南宗の丹経解釈の範式を確立した
- 丹法の三乗判摂を提示し、却病・性命・金液還丹の三段階を区分した
- 「同類陰陽」をもって丹経の符号を解釈し、炉火や房中による誤読を排した
- その注釈は元代の戴起宗『悟真篇注疏』及び明清の丹家の拠りどころとなった
著作
- 悟真篇注釈(紫陽真人悟真篇注疏)
- 『紫陽真人悟真篇注疏』(翁葆光)
- 紫陽真人悟真篇拾遺
参考文献
- 《道藏》所收《紫阳真人悟真篇注疏》《悟真篇注释》
- 元戴起宗《悟真篇注疏》
- 任继愈主编《道藏提要》
- Fabrizio Pregadio, The Seal of the Unity of the Three 相关论述