林霊真Lin Lingzhen
生涯
林霊真は、名を偉夫、字を君昭、号を霊真といい、温州平陽の人である。若くして挙業を学んだが、のちに儒を捨てて道に入り、自邸を捨てて観となし(のちに玄真観と名づけられる)、寧全真の系統に伝わる東華霊宝の学を師承して、霊宝東華派の実質的な創立者・第一代宗師として尊ばれた。元の世祖至元年間以降、彼は温州の道教事務を主宰して温州路道録に任じられ、元貞・大徳年間には「三洞法師」の職を領するよう命じられ、その声望は江浙に及んだ。林霊真の最も重要な貢献は『霊宝領教済度金書』三百二十巻(のちに元人によって増補された)を編成したことである。これは『正統道蔵』の中で最大の巻数を有する単一の著作であり、斎醮科儀の壇場図式・職司分工・章表符命・煉度儀節と音楽節次を集成して、南宋以来の霊宝斎法をかつてない体系性をもって整理したものである。元明以降の江南道教科儀の範本となり、今日なお中国の宗教儀礼を研究するための中核文献である。東華派は「斎法済度」を宗旨とし、あわせて内煉と雷法を摂取し、元代には正一・清微などの諸派と並び行われたが、明代以後は次第に正一に融合していった。
業績と影響
- 霊宝東華派を創立して体系化し、第一代宗師となった
- 『霊宝領教済度金書』三百二十巻を編み、南宋以来の霊宝斎法を集大成した
- 煉度・済幽などの科儀の様式を確立し、元明以来の江南道教儀礼の伝統に影響を与えた
- 温州路道録に任じ、地方における道教の組織化を推し進めた
著作
- 霊宝領教済度金書
- 済度の書(輯)
参考文献
- 《道藏》所收《灵宝领教济度金书》
- 赵道一《历世真仙体道通鉴续编》
- 任继愈主编《道藏提要》
- John Lagerwey, Taoist Ritual in Chinese Society and History