神仙感遇伝Biographies of Encounters with Divine Immortals
- 別称
- 『感遇伝』
- 著者・伝授
- 杜光庭
- 時代
- 唐末五代 · 杜光庭の撰で、唐末五代の成立とされる。現存五巻(原本は十巻)。ほかに『雲笈七籤』巻112に節略本が収められる。
- 道蔵の部類
- 洞玄部記伝類
- 収録
- 正統道蔵 洞玄部記伝類
- 分類
- 仙伝
- 巻数
- 五巻
解題
『神仙感遇伝』は専ら凡人が神仙とふとした機会に出会い、その因縁によって道を得るという事跡を記したもので、『道教霊験記』とともに杜光庭による「事例をもって教えを証す」一連の著作を構成する。収録される物語には、樵夫が仙に遇う話、士人が山中で真人に出会う話、道士が異人から口訣を授かる話などがあり、いずれも具体的な年代・地名・人名を伴い、唐代の官員・士子・商賈・軍将・僧道といった各階層に及ぶ。その思想の主旨は「感遇」の二字にある——成仙は苦修のみに頼るのではなく、機縁と徳行の感応にもよる。凡人であっても徳を積み誠を尽くせば、日常の中で真人に出会い口訣を授かる可能性があるとする。この観念は金丹派における資財と秘伝という高い敷居を緩和し、成仙の可能性を一般の信衆にも開くものであり、唐末道教の世俗化の傾向と一致する。書中には唐代の地理・職官・風俗に関する細部が多く含まれ、唐史研究者にも重視されており、『太平広記』にも多く採録されている。
中心思想
- 凡人が神仙とふとした機会に出会い道を得る
- 「感遇」——機縁と徳行の感応
- 成仙の可能性を一般の信衆に開く
- 『道教霊験記』と同じく事例で教えを証す著作
- 唐代の社会生活の細部を保存する
構成
五巻、短篇の紀事で、時・地・人名を多く注記する。
版本
- 正統道蔵本
- 『雲笈七籤』巻112節略本
- 『太平広記』採録
原文とオンライン資料
関連経典
道教霊験記, 墉城集仙録, 『続仙伝』関連人物
杜光庭参考文献
- Franciscus Verellen 关于杜光庭的系列研究
- 任继愈主编《道藏提要》
- Schipper & Verellen, The Taoist Canon, 2004
- 孙昌武《道教与唐代文学》