丹桂籍Register of the Cinnamon of Cinnabar
- 別称
- 文昌帝君丹桂籍, 丹桂籍注案
- 著者・伝授
- 清代の輯本、注者は黄正元らとする説がある
- 時代
- 清 · 清代の文昌信仰にまつわる善書叢輯で、『文昌帝君陰騭文』を核心として物語・注案・関連経文を付す。版本が多く、編注者は各本で一定しない。
- 道蔵の部類
- 蔵外(清代善書)
- 収録
- 蔵外
- 分類
- 勧善書
- 巻数
- 巻数は諸本により異なる
解題
『丹桂籍』は清代に文昌帝君信仰を中心として編まれた善書の集成で、「丹桂」は科挙で及第する意(折桂)を取り、「籍」は天曹の功名を記す簿録をいい、「善を行えば科第の籍に登ることができる」という意味を寓する。全書は通常『文昌帝君陰騭文』を主幹とし、逐句に注解と「案証」(すなわち検証のための物語)を付し、さらに『文昌帝君戒淫文』『惜字律』『文帝孝経』『感応篇』などの関連文献を添えて、士人向けの総合的な勧善読本を形成している。その核心的な訴えは、功名と徳行とを結びつけることにある——科挙の成否は文才のみによるのではなく、陰功・惜字・戒淫・済人などの行いにも左右されるとし、書中には、ある生員が積徳によって及第し、ある生員が徳を損なって落第したというパターンの物語が数多く見える。この種の文献は清代の書院・文昌宮・惜字会において広く流通しており、科挙社会の心理、士人の道徳的な焦慮、善書出版を研究する重要な材料である。坊刻が多いため、巻数・篇目・編注者は各本によりかなりの差異がある。
中心思想
- 『陰騭文』を主幹とする善書の集成
- 科挙の功名と陰徳とを結びつける
- 案証物語による勧誡の様式
- 惜字・戒淫などの士人の徳目
- 坊刻が多く版本の差異が大きい
構成
『陰騭文』を章に分けて注を付し、案を添え、さらに関連経文を付す。
版本
- 清代の各種坊刻本と善堂本
- 『文帝全書』の関連叢刻
原文とオンライン資料
関連経典
『文昌帝君陰騭文』, 『文昌帝君孝経』, 陰騭文広義参考文献
- 游子安《劝化金箴——清代善书研究》
- 酒井忠夫《中国善书の研究》
- Terry Kleeman, A God's Own Tale, 1994
- Cynthia Brokaw, The Ledgers of Merit and Demerit, 1991