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『玄珠録』Record of the Mysterious Pearl

著者・伝授
王玄覧
時代
唐 · 王玄覧(626~697)の語録であり、弟子の王太霄がその没後(8世紀初め頃)に編纂した。
道蔵の部類
太玄部
収録
『正統道蔵』太玄部
分類
道家哲学
巻数
二巻

解題

『玄珠録』は唐初、綿竹の道士王玄覧の語録であり、弟子の王太霄が輯録し序を作った。王玄覧は「性識明悟」(生まれつき理解力に優れる)とされ、道釈両家に博く通じた。その説は「道」を「有無兼具」「不動不静」の本体とし、「道物相即」「衆生道性」を説き、「坐忘」「観空」を修行の方法とし、心を識り性を見て有無の二執を破ることを主張する。「衆生は道を禀けて生ずれども、衆生は道にあらず。もし道であるとすれば、なぜ道を見ないのか」といった弁証に富む語が多い。書中の少なからぬ条目は仏教の因明と中観の論式を模しており、三論宗・唯識と老荘を融合させたもので、唐代重玄学の蜀地における代表であり、成玄英・李栄・孟安排と並び称される。本書は文字が簡潔で思弁性が強く、道教心性論の形成を研究する上で重要な資料である。

中心思想

  • 道は有無を兼ね具え、物に即かず離れず
  • 衆生はみな道性をもつ
  • 坐忘・観空により心を識り性を見る
  • 有無の二執を破る弁証法

構成

二巻。語録体で、条目は短小。

版本

  • 正統道蔵本
  • 朱森溥『玄珠録校釈』(巴蜀書社、1989年)

原文とオンライン資料

関連経典

道教義枢, 道体論, 『太玄真一本際経』

関連人物

王玄覧
参考文献
  1. 朱森溥《玄珠录校释》
  2. 卢国龙《中国重玄学》
  3. 任继愈主编《道藏提要》