張錫麟Zhang Xilin
生涯
張錫麟は、龍虎山第55代天師であり、康熙五十四年(1715)に教を継いだ。雍正五年(1727)、勅命により入京して祈祷を行うこととなり、法師の婁近垣を伴って同行したが、その途上(一説には入京後)病没した。享年わずか二十九であった。雍正帝は祭祀を賜り、婁近垣を大いに信任するようになった。正一教はこれにより、婁近垣を通じて雍正朝において比較的高い地位を得ることとなった。張錫麟本人の事績は多くないが、その入京は婁近垣が清宮の道教を主宰する局面を直接もたらした。清代の天師は多くが長寿でなく、教務はしばしば一族の者による代行を要し、天師府の実権も次第に地方の族権と法師の手に移っていったが、張錫麟の死はその一例である。死後、天師の位はその子張遇隆が継承した。
業績と影響
- 勅命により入京し、婁近垣を清廷に導いた
- その早世は清代天師世家の苦境を反映している
- 正一教の雍正朝における一時的な復興を促した
参考文献
- 《清史稿》
- 《汉天师世家》
- 卿希泰主编《中国道教史》第四卷