『消摇墟経』Scripture of the Void of Free Wandering
- 別称
- 『逍遥墟経』, 『有象逍遥墟経』
- 著者・伝授
- 洪応明(明)
- 時代
- 明 · 明の洪応明(字は自誠、『菜根譚』の作者)の編で、万暦年間の刊行。二巻、図と伝を備える。
- 道蔵の部類
- 蔵外(明刊本)
- 収録
- 蔵外(万暦刊本。後に『蔵外道書』に収録)
- 分類
- 仙伝
- 巻数
- 二巻
解題
『消揺墟経』(『逍遥墟経』とも)全二巻は、明の万暦年間に洪応明が編纂した、図と文を兼ね備えた通俗的な仙伝である。書名は『荘子・逍遥遊』の意を取り、「墟」とは仙人が居する虚境をいう。全書には歴代の仙真数十人を収め、一人ごとに一図一伝を配する。図は木刻版画であり、伝文は簡潔で通俗的であり、『列仙伝』『神仙伝』『仙鑑』などの旧籍から材を取って削り整えたものである。本書は同時期の『有象列仙全伝』とともに、晩明の書坊が刊行した挿図入り仙伝に属し、明代中後期における版画の隆盛と、道教信仰の通俗化・図像化の傾向を反映している——仙真はもはや道士修行の模範であるだけでなく、士庶階層が座右に置いて玩賞し祈福する対象ともなった。編者の洪応明は別に『菜根譚』を著しており、三教融合と清言小品の趣は本書の選材と評語にもうかがうことができる。
中心思想
- 図と文を兼ね備えた通俗的な仙伝
- 『荘子』の逍遥の意を取る
- 晩明の版画と道教の図像化
- 旧来の仙伝から材を取り通俗に削り整える
- 編者の洪応明は『菜根譚』の作者でもある
構成
二巻、仙ごとに一図一伝。
版本
- 万暦刊本
- 『蔵外道書』影印本
原文とオンライン資料
関連経典
『列仙全伝』, 『歴世真仙体道通鑑』, 蔵外道書参考文献
- 胡道静等编《藏外道书》
- 任继愈主编《道藏提要》相关著录
- 小林正美等日本学者关于明代仙传的研究
- 维基百科「洪应明」条